雨降る傘の下で、愛は始まる〜想う愛に想われ愛
「朝陽さん・・・」
私は朝陽さんに口づけをして、抱きついた。
「いつもみたいにぎゅっとしてください」
すると、朝陽さんは私の頭を撫でながら
「待ってたよ。美咲から俺を求めてくれるのを」
そのまま私は抱きしめられ、唇を奪われた後、朝陽さんの深い愛に包まれた。

「なんで意地悪するんですか!」
「俺だって疲れて寝てしまうことあるだろ?でもさ、美咲が俺を求めてくれるなら、どんな時だって美咲を愛したい。だから、美咲から誘って欲しかったんだ。いつも俺からばっかりだったから」
「いいんですか?甘えても」
「当たり前だろ?甘えて欲しいし、何でも言って欲しい。毎日一緒に暮らすのに、遠慮しないで欲しいんだ」
「朝陽さん・・・」
優しい瞳に見つめられて、私はもう1度、自分から朝陽さんに口づけをして、胸に顔を埋めた。
「また、誘ったね」
「いえ、その、」
唇を塞がれ、まだ熱が冷めやらぬ体を再び愛される私は、朝陽さんに甘えると、たっぷりと愛されることを知った。

すれ違う日もあり、涙の日もあった。
ぶっきらぼうで私の苦手だった朝陽さんは、私を甘やかせてくれる最愛な人だった。
そして、それから1年後、私は、神崎美咲となった。

【その後~1年後~ 続く】
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