天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
 ミリエラが家族以外の人と接する機会は多ければ多いほどいい。それは、彼女を今までずっとこの屋敷に閉じ込めてきたジェラルドの責任だ。

「ミリィが、自分で作りたいから、パパのお手伝いは……ううん、やっぱりいる」

 ひとりで錬金釜を使えないことを思い出したらしい。ジェラルドはミリエラの頭を撫でた。

「それなら、私の手伝いは最小限ということでどうだ? どうしても、ミリエラひとりでできないことがある時は、私を呼べばいい」

「それでいいの?」

 パッとミリエラの表情が明るくなる。

「もちろん。ミリエラの望みは、最大限叶えてあげたいからね」

 娘に対する贖罪の気持ちが薄れることはないだろう。

 だが、こうして父として当たり前に慕ってくれるのを見ていると――胸の痛みまで覚えるのだ。

「ミリィ、パパのこと大好き」

「私も、ミリエラのことが大好きだよ」

 娘が頬にキスしてくれるのを、少し、わくわくしながら受け入れる。お返しの時に、「ミリィ」と愛称で呼べなかったことを、少しばかり残念に思った。
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