天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
「ミリエラ。スライムの魔石は弱いから、少しずつ入れなければならないよ」

「わかった……少しだけね…えいっ!」

 ほんの少しだけマナを注入したつもりが、またもやもろりと崩れて溶けた。この程度のマナに耐え切れないなんて、本当に弱すぎる。

(困ったなぁ……)

 腕組みをして、考えた。スライムの魔石はまだまだたくさんある。

 ミリエラが使うと知って、ディートハルトは張り切っているらしい。

 訓練にもますます身が入るというわけで、ディートハルトの指導係はミリエラに感謝しているそうだが、これでは先に進むことができない。

「うーん、うーん」

 ディートハルトの魔石を無駄にはしたくないから、やみくもにマナを注ぐのはやめることにした。二回、マナを注いだ時のことを思い出す。

 最初は勢いよく注いでみた。それから、少しだけ注ぐようにと言われたから、一瞬だけ注いでみた。それでもまだ、多かったということなんだろう。

(……用心深く、一滴だけ)

 となると、放出するマナの量をもっともっと少なくしなければならない。

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