天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
 そのソファに半分隠れるようにしているのはオーランドとカークである。あいかわらずエリアスのことはちょっと怖いらしい。護衛騎士が隠れていていいんだろうか。

「そこまで言うのなら、お前を食ってやろうか、小僧」

「うわああああ!」

 くわぁっとエリアスが牙をむき、尻餅をついたカークは腰を抜かしてしまったらしく、立ち上がることができないでいる。

「せ、せせせ精霊王様、息子の無礼はお詫びしますので――!」

「冗談だ――イテッ!」

 ふふふと笑ったエリアスの額を、ニコラが手にしたブラシで弾いた。こちらはこちらで精霊王を相手に恐れなすぎである。

「息子に手を出したら、いくら精霊王様でも許しませんよ?」

「……すまない。悪ふざけが過ぎた」

 叱られて、エリアスがしゅんとなった。

 どうやら、母の威厳というものは、精霊王相手でも通じるものらしい。ココアを舐めながら、その様子を眺めている自分もどうかとミリエラは思う。

「えっと……じゃあ、エリアスのことを整理したいんだけど」

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