天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
 ここは室内だからまだまし――というわけでもなかった。

 長い年月使われていた物の中には、精霊を宿すものもあるらしい。前世で言うところの付喪神的な存在といえばいいだろうか。

 そんなわけで、百年以上前から使われているという棚からは、木製の人形のようなものがこちらをじぃっと見つめている。やはり、部屋にいても落ち着かないのだ。

「ミリエラの秘密は守れ。我との契約についてもだ――ミリエラが友と認めた相手、信頼できると判断した相手以外には知らせるな」

「かしこまりました、精霊王様」

 ブラシを右手に持ったまま、ニコラは丁寧に頭を垂れる。オーランドとカークも慌てて彼女に従った。

「ミリエラ。そなたはいい目を持っているが、マナを常に垂れ流しているということでもあるからな。このままだと倒れるぞ」

「それは、困る。どうしたらいい?」

「視界の調整が必要だ。帰る前に教えてやろう――人間には少しわかりにくいかもしれないが、な」

 そうしてエリアスは親切にマナの流れを変える方法を教えてくれた。体内のマナというのは、血液と同じように常に循環しているものなのだそうだ。

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