愛しのキャットボーイ〜野良猫少年拾いました〜
「だから、落ち着け……落ち着くのよ」
何度自分に言い聞かせても、目の前にあるダブルベッドは嫌でも『そういうこと』を私に想像させて、今すぐ逃げ出したい気持ちを加速させる。
……それに。
「私……あの人の名前も知らないのに」
青年がシャワーから出てきてすぐに私もお風呂に入った。
そして、お風呂から出たらこの話は断って、家まで帰れなくとも、コンビニまではなんとか歩いて行こうと決めた。
寒い中駅前にいたせいで、冷え切っていた私の身体は、湯船に入ると芯まで温まった。これほどまでにお風呂で幸福感を味わったことはない。
そしてお風呂から出て服を着て、恐る恐る風呂場の脱衣所から出ると、青年は見当たらない。
部屋の照明も暗く落とされている。不思議に思いベッドに視線を向けると、青年がうつ伏せで倒れ込んでいた。