酔いしれる情緒
「あとさ、凛ってここだけでしょ?働いてるところ」
「………それが何か」
なんで知ってるんだ。
まずそこが気になったけど、一旦スルーすることにした。
「結構カツカツなんじゃない?家もあるんでしょ?貯金出来てる?」
「………………」
ぐうの音も出ない。
コイツの言う通り、貯金なんてほぼ無いに近い。
就活をしなかった私はずっとここでバイトとして働いているし、
まあ長いこと働いているから時給は誰よりも高い額を貰っているけれど
社会人に比べれば少なすぎる額だと思う。
「……何が言いたいの」
「貯金できるよ、俺の家にくれば。
家賃もいらない、光熱費も水道代だってかからない。
今の時期なんて暖房つけ放題だし、夏なんてクーラーつけっぱなしでいいよ。
……どう?住みたくなった?」
「…………………」
…ズルい。
そんな甘い誘いに乗って良いのか。
しかも頭ぶっ飛んでるコイツの誘いに。
だけど………
「………仕事中だから」
「あ、そうだね~
じゃあ暇な時にでも考えといて?
俺近くのカフェで待ってるから」
「(てことは今日中に返事をってことじゃないか…)」