酔いしれる情緒
あなたに依存しています。



由希子さんが現れてから1週間が過ぎた。





(またいる……)





仕事を終えて帰ってくると、出会ったあの日から当たり前のように由希子さんが家にいる。




それはもう、毎日のように。




時間帯は問わず、昼にいる時もあれば朝にだっている。



もちろん不法侵入とかそんなんじゃないけれど、由希子さんがいるとなればもちろん春の姿もある。




だから最近はその二人が一緒にいるところを目の当たりにする機会が増えたというわけで。





「すみません…また私の分まで作っていただいて」





夕食だって、3人で食べることが増えた。





「いえ、お気になさらず」





作る量が1人分増えることは別に構わない。


そんなに変わることでもないし。




だから、それは、全然いい。





けど、






「春くん食べるの早くないですか?」


「そう?普通じゃない?」


「ちゃんと噛まないとダメですよ」


「早いから噛んでないっていう概念はやめてほしいね」





並んで横に座る二人の会話を真正面から眺めるのだけは、未だに慣れない。




いや、慣れていいのか?



この状況は、慣れちゃ、ダメなんじゃ。



 

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