無口な彼の妬かせ方
紛れもなく、その店は。
「喫茶店?」
「そ。」
何処にでもありそうな、綺麗でシンプルな大きなお店。
結構有名なのか、
ガラス張りの壁から中を見れば、
沢山の人が、座って楽しそうに会話をしている。
「え。私、ここで働くの?」
「そうそう。できれば、お願いしたいな」
……無理。
バイトが初めての私にとって、これは、ちょっと無理がある。
何、この人の多さ。
私の考えでは、コンビニとか、そんな事を想像していたのに。
「今、人が足りないみたいでさ~。
店長が困ってるんだよ。」
「そんな事言われても……」