無口な彼の妬かせ方
「頼む!!」
バチン!っと、私の顔の前で手のひらを勢いよく合わせた蓮くん。
ギュッ、と目を閉じていて、
「っ、」
なんだか、断わりにくく、なってしまった…。
そして、結局は。
「い、いらっしゃいませー…」
働くハメに。
「ほらほら。もっと大きい声で言わないと。
お客様に聞こえないよ」
「す、すいません…」
私より多分年上であろう、
綺麗な女の人に注意され、
何度も何度も謝ってばかり。