無口な彼の妬かせ方




ズーン、と黒いオーラを醸し出していた、その瞬間。



シュッシュッ、




「………ん?」




そんな、変な音が聞こえたと同時に、



甘い香りが鼻をくすぐった。




「あ、の…。それ、なにしてるんですか?」


「あら。生きてたの?死んでるかと思った」




途轍もなく、変なオーラ醸し出してたわよ~。



なんて事を真顔で言うのは、あの綺麗な女の人。



見た目とは違って、結構な毒舌だな……。




「死んでませんよ。ちゃんと、生きてます」


「そ。まあ、どうでもいいけど。」


「…。」




そして、また、シュッシュッと音がした。



再び、甘い匂いが香る。


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