無口な彼の妬かせ方
「もしかして、それ……」
「そ。香水よ、香水」
「香水!?」
ガタッ!と勢いよく、イスから立ち上がってしまった。
香水?え、いいの?
仕事場で、そんな甘い匂いをプンプン香らせて…。
「なによ。常識でしょ?女には」
「常識って言っても……大丈夫なんですか?その…仕事場でつけて」
普通は、ダメなんじゃ……
「はぁ~」
アンタ、頭、大丈夫?
なんて言いたげな表情で、
驚く私とは裏腹に、
女の人は、あきれたように、息を吐き出した。
「あのねぇ~…。アンタ、それでも女?」