無口な彼の妬かせ方




「もしかして、それ……」


「そ。香水よ、香水」


「香水!?」




ガタッ!と勢いよく、イスから立ち上がってしまった。



香水?え、いいの?



仕事場で、そんな甘い匂いをプンプン香らせて…。




「なによ。常識でしょ?女には」


「常識って言っても……大丈夫なんですか?その…仕事場でつけて」




普通は、ダメなんじゃ……




「はぁ~」




アンタ、頭、大丈夫?
なんて言いたげな表情で、



驚く私とは裏腹に、



女の人は、あきれたように、息を吐き出した。




「あのねぇ~…。アンタ、それでも女?」


< 207 / 304 >

この作品をシェア

pagetop