無口な彼の妬かせ方
「わ、わかった」
「ん。」
そう言うと、
翔の顔が少し柔んだ。
「………えっ、と」
一向に離れない手に、
ちょっと戸惑う私。
「翔?ほら、布団入って」
「……………」
「翔?」
ジッ、と。
私を見つめる翔。
目線は一切揺らがず、
ずっと私を見続けている。
「翔」
ちょっと大きめな声で言った。
すると翔はハッとした様子で、
私の声に気付き手を離した。
「………布団、入らなきゃダメ?」
少し、大人しげな声。
「ダーメ。ほら、ちゃんと入る」
毛布を捲り上げて手引きすれば、翔はしぶしぶと布団の中に入った。
なんだろう。
なんか今日の翔は、すごく甘えてくるような感じがする。
いつもと、違う。