私これでも一応聖女ですが、落ちこぼれなせいで国外追放寸前です!
ここは冷静にゼノをこの場に残さないと、ゼノまで傷つく可能性だってあるのだから。
「最初からゼノは、ここまでの道案内をしてもらう為だけに連れて来たの。ゼノを危険な目に合わせるなんて絶対に出来ない」
「でっでも……!」
私が弱いからとそう言いたかったけれど、その言葉を口にしたらここまで連れてきてくれたのに、街に戻って誰かの力を借りようと申し出るのは目に見えていた。
街の大人達にまた酷い目に合わされるのは絶対にさせない。
約束を交わしたんだから、私は何がなんでも約束を守る。
「それにゼノには重要な役割をするために、ここに残ってもらう必要があるの」
魔力を指先に集めて作り出した光の粒に息を吹きかけると、意志を持つように独りでに宙を舞う。