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「………、あれ?どっか…行くの?」




だけどそんな彼が突然イスにかけていた上着を着たものだから、不思議に思い私もソファーから起き上がる。




「どこって、川だけど」

「えっ!?今から!?」

「当たり前だ。まだ全然探せてねーよ”誰かさん”のせいで」

「うっ…」




そう言われれば何も言い返せない。私のせいで今日の捜索時間が短くなってしまったんだし。




「わ、私も行く!」

「いらん。寝てろ。邪魔だ」

「今度はあんな失敗しないから!」




必死な私に蒼空さんは溜め息をつく。




「顔を真っ赤にさせてる奴が何言ってんだよ。」

「え?」




そう言われて自分の顔を触ってみる。
………熱い。




「心音。体温計持ってきてやれ」

「あら~やっぱり熱でも出た?」

「えっ、なっ、ないよ!ないです心音さん!熱なんて!」

「喋んな病弱。菌飛び散るだろうが」

「……………」




いちいち腹が立つ。…だけど蒼空さんが言っている事は本当だし、言い返したいものの黙る私。

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