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「じゃ、行ってくるから。陽葵さんには川にいるって言っといて」

「分かったわ。でもそろそろ暗くなるから早めに切り上げるのよ」

「んー」

「あっ、ちょっと待っ」

「月姫ちゃんは体温測ってみてね」




ガシッと立ち上がろうした私の肩を掴み、再びソファーに座らせたのは心音さんで。




私を置いて蒼空さんは事務所から出て行ってしまった。




「熱ないのに……」

「念のためにね。もし熱があったら悪化する前にゆっくりしとくのが1番よ」




そう心音さんに言われてしまっては断る事なんて出来なくて、しぶしぶ体温計を受け取った。




「ところで、陽葵さんはどこに行ったんですか?」




事務所のどこを見渡して見ても陽葵さんの姿はなくて




「あ~今外で薬買いに行ってくれてるの。月姫ちゃんが風邪引いた場合の為にね」

「え!?」

「ダメよ、ジッとしてないと」




驚きのあまりに、またしてもその場から立ち上がろうした私を心音さんによって止められた。




「今体温測ってるんだからね」

「あ…ごめんなさい」



(陽葵さんにも迷惑かけちゃった…)




今日の私は何もかもついてない。




「給料減らされるかも…」

「陽葵さんはそんな事しないから大丈夫よ。陽葵さん、月姫ちゃんの事気に入っているから」




そう私を安心させるように心音さんは私の頭を優しく撫でた。

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