request
「……しょうがない。もうコレはお前が使え」
「いや、でも、蒼空さんは?」
私がコレを使ってしまえば蒼空さんの分がない。
「俺はソファーで寝る」
蒼空さんは強引に押し入れの中へ心音さんの服を押し込む。
「だ、ダメだよ!なんか逆に使いづらいし」
「めんどくせーなぁ…いいから使えって」
本当にめんどくさそうな表情をするからムッとして、
下の階に行こうとした蒼空さんを引き止めた。
「じゃあもう一緒に寝ればいいじゃん!!ほら!この布団意外と大きいし余裕だよ!!」
「はぁ?本気で言ってんのかお前」
「本気で言ってなかったらわざわざ止めないし」
いや、何言ってるんだろう自分。
一緒に寝ればいい?バカかっ!!なんでそんな事言ってんの!!?
蒼空さんが呆れた表情をするのも仕方が無い。自分でも呆れてるんだから。
「……っていう案もありますよ~って事だから…」
蒼空さんの事だ。断るに決まってる。
「………ふーん。いいなその案。」
「………え?」
なのにコイツはニヤッと不気味な笑みでその案に賛成した。これも多分嫌がらせの一種なんだと思う。