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「てか誘い方分かんないって…」


「ちょ…何で笑うの」


「だってさ~?


付き合ってるんだから遊びに誘う事くらい普通じゃん?


付き合う前とかなら緊張するけどさ、


もー付き合ってるんだからなんの遠慮もいらないんだよ?」




千恵の言葉は意外にも私の心にストンと落ちた。




「そっ、かぁ……そうだよね…」


「そうだよ!!!羨ましい限りなんだからね!」




千恵の言う通りだ。


何を躊躇っているんだろう私。




(誘う事くらい余裕じゃんか!!)




気合が入った今のうちに遊びに誘おうと携帯を開けた。



けれど、未だにトーク画面の上部の"蒼空さん"という文字を見ると緊張してしまうのは変わりない。



少し震える手で文字を打ち込んでいれば




「あ、桜井の彼女だ」


「!!」




突如、ひょっこりと男の人が現れて



ビックリした私はまだ打ち終わっていないのに間違って送信ボタンを押してしまった。


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