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意味もなく図書室を出て

行く当てもなく廊下を走る。



途中、荷物持ってこればよかったって思ってしまったけれど、

取りに帰るにもなんだか怖いし…




(とりあえず外に出てどこかで時間を潰そう…)




そう考えて、階段を降りていけば




「なあ、」


「っ!」




上から優さんの声。



恐る恐ると振り向けば、




「荷物、忘れてるよ?」




私のトートバッグを手に、上から見下ろすその人。




「あ……」


「用事、あるんだろ?じゃあ荷物も持ってかないと」




優さんはクスリ、と笑う。




(わざわざ持ってこなくてよかったのに…)




少ししてからレポートしに帰ろうと思っていたし。



けれど、持ってこられては「元の場所に置いといて」なんて言えるわけない。




「すみません…すっかり忘れてました」




その荷物を取りに、上へと上がる。




「キミ、案外うかつだね」


「ははっ…」




苦笑いを浮かべて

優さんが持つソレに手を伸ばす。

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