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(ずっと浮かない顔してたら心配かけちゃうよね…)




そう思い、隣にいる千恵に「もう大丈夫だよ」って、笑顔で言おうとしたー。




が。





バンッ!!!!



ドア付近から突然の大きな音。




本当に突然聞こえたものだから、当然私達は驚いてしまうわけで。



無意識にその方へと目線がいく。




「えっ……な、んで…」




走ってきたのか、呼吸が荒れているその人。



今、大学にいるはずがないと思っていたから、余計に驚いた。




…………だって、




そこに蒼空さんがいるんだもん……






「ちょっ…足っ…早いっスね……」




遅れて、小林が教室に戻ってきた。




「こ、小林が連れてきたの?」




私と同じように、驚いている千恵は目を丸くさせている。




「自販機行ったら…ちょうどそこに桜井さん…が、いたから……言っておいた方がいいかと、思って……ハァ…」




小林も走って来たみたいで

まだ呼吸は荒いまま。




「小林…あんた案外出来る男じゃない」


「だ、だろ!!へへっ…もっと褒め……って、あれ?どこ行くんだ?」




気づけば、千恵も廊下へと行ってしまって




「出来る男だけど、気を使える男にもならないとね」


「えっ?」




その言葉に、小林は私と蒼空さんを交互に見ると「あっ!」と声を上げる。




「そ、そうか……。こればかりは桜井さんの役目だもんな……」


「そーそ。ほら行くよ」


「う、ウス!じゃあ桜井さん!あとはお願いします!!!」




律儀に90°頭を下げる小林に




「………あぁ、ありがとな。」




蒼空さんはポンポンと優しく頭を叩いた。



どうやら男でも、蒼空さんにそんな事をされるとときめいてしまうみたいで。




「か…、かっけぇえーーー!!!」




小林はキラキラと目を輝かせながら、千恵に引きずられるように連れてかれた。

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