request






「じゃあ、また今度ね」

「ほら!また女口調になってる!!」




(おっと、そうだった…)




無事に家まで送れた亜美さんと私。…いや、俺。




こっそりと教えられて慌てて訂正する。




「じゃあ、また今度な」




ポンッと亜美さんの頭を撫でるというアドリブもつけてみたが…




(特に反応は無し…か)




遠く離れた電柱にまだ潜むストーカー。


触れても特に反応はしないし、帽子を深くかぶっているせいか、顔も全く分からない。




(彼氏がいたとしても諦める様子は無し…と)




「ねぇ、聞いてる!?」

「ん?あ、なにかし…じゃなくて、なんだ?」




後ろのストーカーに気を取られていたせいか、


亜美さんに怒鳴られて急いで目線を戻した。




「明日、学校まで迎えに来てねっ」

「っ…と、」




いきなり抱きついてきたかと思えば亜美さんはパチリとウインク。




「…ああ、いつもの所で待ってる」

「やったぁユーヤ大好きっ。ありがと!」




笑顔の亜美さんは1度振り向いて手を振ると、そのまま家の中へと入って行った。




……それと同時に、ストーカーの気配も無くなる。




(学校まで迎えに来てねって…)




まず学校どこなのよ…


なんて思っていたが、




「………?」




ポケットから携帯を取り出そうとしたとき、そのポケットから1枚の紙が出てきた。




「……へぇ。あの子も上手いねぇ」




その紙には高校名と、その高校の場所が記されていて、



たぶん、あの抱きついてきたときにこっそりと忍ばしたのだろう。

< 43 / 660 >

この作品をシェア

pagetop