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「ほ、ほら!!今から旅館だし!露天風呂もう入っちゃいなよ!!その間に服乾かしておくから…」
ちょっと待って。
何言ってるの私。
自ら露天風呂を勧めてどうする!!
(一緒に入らなきゃなのに…!!)
ジロリと見られているものの、
蒼空さんは「はぁ…」と小さく溜め息をついて
「………そうだな。そうするわ」
「えっ、いや、やっぱり!このまま次の場所に行こう!!!」
「は?今から旅館でチェックインだろうが。てか、このまんまはさすがに風邪引く」
「ああ!うん!そうだね!!……いや、でも!!!」
「お前はさっきから何慌ててんの?いいからさっさと行くぞ。寒い」
グイーッと腕を引っ張られてしまえば
私はそのあとをついていくしかできなくて
『ごゆっくりお過ごし下さい』
あっという間に旅館の客室へ。
ここの女将らしき人が部屋に案内してくれたものの、案内が終わるとすぐに去ってしまい2人っきりに。
「おっ、結構広いじゃん」
玄関で硬直する私に対して蒼空さんは気にせず中へ。
中は和モダンな客室で、目線の先には露天風呂がある。
(わぁ……立派な露天風呂だこと…)
最上階のここは凄く眺めが良さそうだ。
「入んねーの?」
「へっ!?も、もうですか!?」
「は?」
何言ってんだ?
そんな顔をする蒼空さん。
「早く中入ってこいよ」
「あっ…あぁ…!今入ります…!!」
部屋に早く入れってことね……
もう露天風呂入るんだと思ってビックリしちゃった…
ちょっと安心してしまった私はまだまだ覚悟が出来ていない。