月夜に笑った悪魔 ハロウィン特別編


口を動かせば、口内に広がったのはいちご味。
いちごジャムが入ったマシュマロだ。




「何味?」


聞いてくる彼。
私はごくんとマシュマロを飲み込んで。






「いちご──……んっ」


答えた瞬間、口を塞がれた。




目の前には整った顔のドアップ。
私の口を塞いだのは、彼だ。


開いた口の間から、差し込まれる熱い舌。
その舌は口内の隅から隅まで味わうように動く。




「……んぁっ」


漏れる熱い息。
頬にまで手が添えられるから、熱くなる体。




数秒間後には彼は離れ。




「いちごもうまい」


そうひと言。

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