月夜に笑った悪魔 ハロウィン特別編


熱に触れていたせいで、ぼんやりする頭。
私は息をするので精一杯。


息を乱しながら彼を見つめていれば、暁は。




「そーいう顔すると、美鈴まで食いたくなるんだけど」


私にまた顔を近づけて、触れたのは首元のリボン。

次の瞬間には……しゅるりと解かれた。




「……っ!」


はらりとはだけていくから、慌てて衣装を胸元でおさえる。
マシュマロの袋をもっているから、片手でおさえている状態。


それだけでは心もとなくて、マシュマロの袋をいったん畳へと置けば、パシッとその手をつかまれた。


おさえるのを制すかのようにつかまれた手。



な、な、なに、するんだ……!!






「美鈴、おまえほんとかわいーな」


声が聞こえて、笑う暁の姿が視界に入った直後。

強い力で肩をおされ、後ろに倒れていく体。

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