月夜に笑った悪魔 ハロウィン特別編
暁はお菓子なんて持ってないだろうし、今日くらいは私が……!
そう思った直後、太ももに触れた大きな手。
着ているワンピースの丈は短いから、その手はすぐにスカートの下に滑り込む。
慌ててその手をとめた。
「な、なにさ、この手は……」
「短ぇなって」
「い、いいから早くお菓子出して!」
『トリックオアトリート』と先に言ったのは私。
私のほうがいたずらされそうになるから、話を戻す。
「あー……あれか。今日、かぼちゃの日か」
思い出したかのように言う暁。
なんだ、かぼちゃの日って。
まぁ、ある意味まちがってないのかもしれないけどさ。
「ハロウィンだよ!」
「あー、それそれ」
「お菓子は?暁、私にお菓子くれないの?」
「ん」
彼が指さしたのは、かぼちゃの形のバスケット。
その中に入ってる、お菓子。