月夜に笑った悪魔 ハロウィン特別編
「それは私が持ってきたやつ!」
「…………」
これで確信。
暁はお菓子を持っていない。
ハロウィン自体忘れていたみたいだし、ぜったいぜったいお菓子を持ってない。
ということは……いたずらし放題、というわけだ。
「ないんだ?」
つい上がってしまう口角。
私は暁にさらに迫る。
「そんなに菓子食いたいなら買ってきてやろうか」
立ち上がろうとする彼。
私はぎゅっと腕をつかんで制した。
買いに行くのなんてだめだ。
それは完璧なズル。
私が暁にいたずらできなくなっちゃうじゃんか!
「お菓子がない人はいたずらされる運命なの!大人しくいたずらされて!」
じっと彼を見つめれば、暁の口角はゆっくり上がる。