闇に溺れて、秘密のキスを。【ハロウィン特別番外編】
ハロウィン特別番外編



 10月31日の今日は、朝から学校中がハロウィン一色だった。

 私も友達とお菓子を渡し合ったり、昼休みにちょっとしたお菓子パーティーを開いていたけれど、その時もずっと他のことを考えていたことは誰にも言えない。


 何を考えていたかというと、実は今日、お父さんとお母さんが家に帰ってこない。

 そのため、神田くんを家に招待したいなと考えていた。


 けれど、いざ誘うとなると恥ずかしさと緊張が混ざり、朝の登校では失敗に終わってしまった。

 せっかく特別な日なのに……神田くんと過ごしたいなと思っていたのに。


「未央、今日は何かあったの?」

 誘えないまま放課後になってしまい、私の異変に気づいた神田くんが心配そうに聞いてきた。

 もし誘うなら今しかない気がする。
 意を決して、私は口を開いた。


「あの、神田くん……!この後って予定空いてますか!」

 神田くんは最初、目を丸くしていたけれど、すぐに優しい笑みを浮かべて質問に答えてくれた。

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