闇に溺れて、秘密のキスを。【ハロウィン特別番外編】


「あの、神田くん……まだ」
「かなりやばいねこれは」


 けれど神田くんは私を力強く抱きしめるだけで、私の声が届いていない様子。


「神田くんの意地悪……」
「きっとお互い様だよ。今日は二人して我慢する日かな」


 なだめるように頭をポンポンされ、そっと額をくっつけられる。

 それでもまだ不満なのは、私のわがままだろうか。


 いっそのこと、私から神田くんにキスしよう。
 なんて思ってしまうくらいには、甘さを求めている自分がいた。


 引かれないかな……けれど神田くんなら大丈夫な気がする。

 たまには大胆になってもいいやと思った私は、意を決して自分から神田くんと唇を重ね合わせた。


 キスの後、神田くんは驚いた様子で固まっていて、どういう気持ちなのか気になった私は、彼の名前を呼んで頬を軽く突こうとした。

 けれどその前に視界がぐらっと揺れ、気づけば神田くんに押し倒されていた。


「……今さら“ダメ”はなしだよ未央」

 神田くんは少し頬を赤く染めて、先ほどよりもずっと余裕のない表情をしていた。


 私の知らない新たな顔が見れた気がして、嬉しくなって笑みをこぼしてしまう。

 今の状況が危険なことに気づいたのは、神田くんに深いキスをされて、彼の手が私の服に触れた時だった。



END

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