想いのままに心のままに ~結婚より仕事の30女が身ごもりました~
仕事中の宏貴からは何度もメールが入る。

時々仕事の内容でわからないことを聞く連絡もあるけれど、ほとんどが体調や恵理の様子を知ろうとする内容だった。

宏貴は恵理が仕事を休んでから、早朝に仕事に向かい、帰りや深夜という日が続いた。
恵理が休んでいるということは、宏貴の仕事の量が増える。

急遽補佐ができるようにほかの部署から助っ人を呼んでくれたらしいけれど、今までのようにはいかないことは想像できる。

恵理は罪悪感を埋めるように、宏貴が帰宅するのを待って、あたたかい手の込んだ料理を用意したり、毎日お弁当を作っていた。

『今日はかなり遅くなりそうだから、先に休んでて。』
宏貴からそんなメールが入ったのはすでに深夜を回ってからだった。
< 202 / 263 >

この作品をシェア

pagetop