地味子通りますっ
急いで離れて帰ろうとすると、
「待って、紗南。」
再び抱き締められる。いや、もうお家に返して〜。
「紗南。今日も行くの??」
主語がなくとも、何を言わんとしているのかを瞬時にサーチ。
「うん、行くよ。私が行かなきゃだし。私も満足できないから。」
「........そっか。怪我だけはしないでね。」
ポンポン。って頭を軽く叩いて去っていった理人。
あんまり表情にも出さないけど、凄く心配してるんだろうな........。私、暗い顔でもしてたのかな........。しっかりしろ!自分っ!!
ペチペチと頬を叩いて、私は再び歩き始めた。