非常勤講師と受験生
私達が勉強しているテーブルに戻ってからも顔が熱くなっていたことに勘づいたまゆちゃんは、「どうかした?」と気にかけてくれたが、私は「何でもないよ!」と嘘を吐いてしまった。

これが初めて親友に吐いた嘘だった………。

先程、荒城くんに小林先生が好きかどうか、私でもよく分からない事を言われたので、テーブルに戻ってから勉強会が終わるまでの間荒城くんと目が合わせられなかった。

勿論、荒城くんも葵と目を合わせられなかった。

カフェ店内の時計が午後五時を指した頃、まゆちゃんが「そろそろ終わりにしよう」と言った。

私達もキリが良かった為、勉強を止め片付けに入った。
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