先輩と泣き虫
私は泣きながら震える手で、先輩を抱き締めた。

「!!」

「嬉しい…!先輩が私を好きでいてくれて…!嬉しいです…!!ぐすっ…」

また出てくる私の涙。

「泣くなよ…お前が泣くなんて…」

先輩は私の頭をそっと撫でてくれた。
そして、

「…俺、お前にあんなことをしたのに…いいのかよ…」

本当に済まなそうな、呟くような声でそう私に聞く。

「先輩が好き…!あのときも、こうやって頭を撫でてくれました…。」

また先輩の温かい手が、私の頭や頬を撫でた。

「お前に励まされたから、次の作品が作れたんだ…。…お前のお陰だったのに…なのに俺……」

「嬉しい…!ありがとうございます…!!」

「お前…。俺、お前に酷いことしたのに…礼なんて…」

…しっかり、伝えるの。変わらない私の気持ち…

「私のこと好きでいてくれて、ありがとうございます…先輩…!」

私が言うと、先輩はなんだか照れているように見えた。

「…変なやつ…俺みたいな…酷いやつを好きとか…」

「それでも、先輩が大好きです…!泣いたら慰めてくれる、優しい先輩が大好き…!!」

私は先輩を抱きしめる腕に、さっきよりも力を込めた。

「青沢…ありがとう…ずっと、一緒にいてくれ…」

「はい!」

私の返事に、先輩は照れながら、でも嬉しそうに笑った。



こうして、なんだかちょっと怖かった黒川先輩は、少し乱暴で不器用で、でも私にとって本当は優しくて大好きな先輩になった。

ずっと一緒にいたらきっと、泣くことも忘れられるかな…
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