先輩と泣き虫
私は泣きながら震える手で、先輩を抱き締めた。

「!!」

「嬉しい…!先輩が私を好きでいてくれて…!嬉しいです…!!ぐすっ…」

また出てくる私の涙。

「泣くなよ…お前が泣くなんて…」

先輩は私の頭をそっと撫でてくれた。
そして、

「…俺、お前にあんなことをしたのに…いいのかよ…」

本当に済まなそうな、呟くような声でそう私に聞く。

「先輩が好き…!あのときも、こうやって頭を撫でてくれました…。」

また先輩の温かい手が、私の頭や頬を撫でた。

「お前に励まされたから、次の作品が作れたんだ…。…お前のお陰だったのに…なのに俺……」

「嬉しい…!ありがとうございます…!!」

「お前…。俺、お前に酷いことしたのに…礼なんて…」

…しっかり、伝えるの。変わらない私の気持ち…

「私のこと好きでいてくれて、ありがとうございます…先輩…!」

私が言うと、先輩はなんだか照れているように見えた。

「…変なやつ…俺みたいな…酷いやつを好きとか…」

「それでも、先輩が大好きです…!泣いたら慰めてくれる、優しい先輩が大好き…!!」

私は先輩を抱きしめる腕に、さっきよりも力を込めた。

「青沢…ありがとう…ずっと、一緒にいてくれ…」

「はい!」

私の返事に、先輩は照れながら、でも嬉しそうに笑った。



こうして、なんだかちょっと怖かった黒川先輩は、少し乱暴で不器用で、でも私にとって本当は優しくて大好きな先輩になった。

ずっと一緒にいたらきっと、泣くことも忘れられるかな…
< 6 / 6 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

きらめきテレスコープ

総文字数/8,372

青春・友情17ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
 「布施くんなら見つけてくれるかな…私を…」クラスの変わった女の子と、その子が気になる俺。  交流を通して向かう、その先に…
君がくれた幸せ

総文字数/7,967

恋愛(その他)13ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
過酷な運命に流され続けていた彼は、ある転機を迎える。
うちのクラスの吉田くん!

総文字数/35,220

コメディ55ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
《朝型ちゃんに一目惚れ》キャラクター出演 俺『一樹』が語る、親友『吉田(よっしー)』の武勇伝!? なぜか出てくるのが男子ばかりになってしまった、 数ページ完結の短編集 (一年時、二年時の話がときたま前後します……)

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop