Re:habilitation study ~鬼指導教官にやられっぱなし?!
「岡崎先生、俺、信じる。先生をさ。」

「ああ、任せて下さい・・・というか、覚悟しとけよ。とことんリハビリするからな。」

「・・・なんだよ、その態度豹変。」

「俺はもともとはこうなんだよ。」

「うわ、とんだ詐欺師じゃね?」

「お~詐欺師とかサイコーな誉め言葉だな。」


さっきまでの、ドア越しでもひしひしと伝わってくる緊迫した空気が嘘だったかのような、砕けた感がにじみ出ている岡崎先生と長谷川さんの会話。

それからも長谷川さんが岡崎先生に心を許し、信頼を寄せたことが伝わってくる。

教科書の所々に書いてある“リハビリはラポール形成・・・治療者と患者の信頼関係を築くことが大切”という言葉を自分の耳で直に聞き取り感じ取れた今。

『般若、詐欺師・・・でも治療者で・・・教官・・・』


めんどくさがりや、で、
せっかち、で、
なんでも適当な感じ、で
横暴なところ、もあって
本当にこの教官で大丈夫かなんて思っていたけど
もしかしてちゃんとあたしを育ててくれようとしているのかもしれない

『なんか悔しいけど、感動・・・』

ドア越しにそんなことを思わずにはいられなかった


【実習10日目昼休み直後】


メロンパンを食べながらエルゴメーターを漕ぐという胸やけしそうな無茶をしていたかと思えば
あたしだけでなく主治医の森村先生も難渋している患者さんとの信頼関係形成を、サラリとやってのける
プラス
実習指導者としてあたしのことをちゃんと考えてくれている

悔しいけれど感動させられる

そんなことに気がついた時間



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