パリの空の下、極上セレブ御曹司の貴方に今日も甘やかされてます
***

 頂上の展望台の高さは地上276メーター。
 スカイツリーよりはぜんぜん低いけど、それでも充分高い。

 天気が良かったので、外に出てパリの街を見下ろすことにした。

 なんだか微妙に揺れてるし、風をまともに受けるのが結構スリリング。
 柵につかまって、限界まで首を伸ばして下を覗き込むと、あまりの高さにぞぞぞっと身が縮んで……

 思わずルイの腕をつかんでしまった。

「薫は高いところは苦手なのか?」
「いえ、平気なんですけど、いつもは」
 
 長い髪を靡かせながら、ルイはかがんでわたしの耳元で話しかけてくる。
 彼の髪がわたしの首筋をくすぐる。
 風の音が大きくて、普通に話しただけでは聞こえないからだけれど……

 距離、近過ぎ。
 怖いのとは別の意味でもドキドキしてしまう。
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