パリの空の下、極上セレブ御曹司の貴方に今日も甘やかされてます
 屋内に戻り、時間を確かめると、まだレストランの予約まで30分ほどあった。
 売店を冷やかしていたら、いつのまにかいなくなっていたルイが戻ってきて、可愛らしい紙袋を渡してくれた。

「欲しそうな顔してたから」

 袋を覗くと、入っていたのは小さなエッフェル塔のフィギュア。
 気になって、売り場でずっと眺めていたものだった。

「薫のエッフェル塔初登頂の記念だ」
「わー、嬉しいっ。ありがとう、ルイ」

 小さいけれど、装飾が忠実に再現されているもので、LEDライトも付いていてライトアップの雰囲気も味わえる。
 
 あー、もう。
 こういうの、ほんと弱い。
 心が切ない気持ちでいっぱいになる。
 って、それはプレゼントしてくれたからじゃなくて。

 わたしがどれほどエッフェル塔に憧れ続けてきたのか。
 そのことをまったくバカにしたりせず、ルイがちゃんと理解して受け止めてくれたことがわかるから……

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