パリの空の下、極上セレブ御曹司の貴方に今日も甘やかされてます
 病院に着いたときには、夜中の12時を回っていた。

 急いで病室を訪ねると、お祖母さんは幸い持ち直されたようで静かに眠っていらした。
 わたしたちはほっと胸をなでおろした。

「ルイ」
 先に病室にみえていた、すらりと背の高い女性が、わたしたちに声をかけてきた。

「彼女が、例の?」
 そう言って、彼女はわたしを見た。
「はい。フィアンセの薫です」

 ルイに促され、わたしは彼女の前に行き、「はじめまして」と頭を下げた。

「どうぞ、頭を上げてちょうだい。ルイの母です。ごめんなさいね。本来ならもっと早くお会いするべきだったのだけれど……」
 
 美しい方。
 ルイと同じ、薄緑色の目。

「いえ、そんな」
 そういえば、ルイのご家族に挨拶をするっていう話は一度も出なかった。
 学校が始まって忙しかったから、ぜんぜん気にかけていなかったけれど。
< 153 / 245 >

この作品をシェア

pagetop