パリの空の下、極上セレブ御曹司の貴方に今日も甘やかされてます
「そ、そんなこと……」
そんなこと、ありません!
って言いたいところだけど、現場を押さえられているだけに強く否定できないのがくやしい。
でも、あのとき、逃げようとしたのは、特別腹が立っていたからだ。
パパとママにだまし討ちみたいな卑怯な手を使われたのが納得いかなくて。
「でもなんで、婚約者の〝フリ〟なんてしないといけないんですか」
彼はふっと短くため息を吐いた。
「薫を連れて行かないと祖母が納得しないからだよ。とにかく一度言い出したら、何があっても自分の意見を曲げない人なんだ。わたしも父も今回の話には反対したんだが『偉大なお父様のご意志に背くことは許しません』の一点張りでね」
そんなこと、ありません!
って言いたいところだけど、現場を押さえられているだけに強く否定できないのがくやしい。
でも、あのとき、逃げようとしたのは、特別腹が立っていたからだ。
パパとママにだまし討ちみたいな卑怯な手を使われたのが納得いかなくて。
「でもなんで、婚約者の〝フリ〟なんてしないといけないんですか」
彼はふっと短くため息を吐いた。
「薫を連れて行かないと祖母が納得しないからだよ。とにかく一度言い出したら、何があっても自分の意見を曲げない人なんだ。わたしも父も今回の話には反対したんだが『偉大なお父様のご意志に背くことは許しません』の一点張りでね」