初恋マリッジ~エリート外交官の旦那様と極上結婚生活~
蜜月は甘く

純白のウエディングドレスに身を包んで鏡の前に立つ。

上質なミカドシルクの光沢を最大限に活かすために、あえてシンプルにデザインされたドレスは気品にあふれ、デコルテを美しく魅せるVカットの胸もとには清楚な輝きを放つパールのネックレスが揺れる。

彼のご両親が住むマレーシアから帰国して結婚準備に追われる日が続き、あっという間に迎えた十一月の最終日曜日。今日、私たちは結婚式をあげて夫婦になる。

「とてもよくお似合いですよ」

「ありがとうございます」

衣装の着つけとヘアメイク担当のブライダルスタイリストの言葉に微笑み、リハーサルのためにチャペルに向かった。

「お待たせいたしました。新婦様ご到着です」

ブライダルアテンダーである()(じま)さんの案内を聞き、チャペル内で談笑していたお互いの両親と彼の視線が一斉に注がれる。

彼は私がどんなドレスをオーダーしたのか、一切知らない。

初めて目にするドレス姿にどのような反応を示すのだろうと、胸をドキドキと高鳴らせてみんなのもとに歩み寄った。

「小夜子さん、とても素敵よ」

「ありがとうございます」

私のウエディングドレス姿を見て、満面の笑みを浮かべる彼のお母様と短いやり取りを交わす。

今日から義理の両親となるお母様の褒め言葉はうれしいけれど、やはり彼の気持ちが知りたい。
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