初恋マリッジ~エリート外交官の旦那様と極上結婚生活~
「どう……かな?」
初めてのドレス姿に気恥ずかしさを感じて上目遣いで尋ねると、彼が切れ長の瞳を細めた。
「綺麗だ。とても……」
微笑みながら紡がれた言葉は少し震えている。
冷静な彼が人前で感極まるのは珍しい。そんなに感動してくれたのかと思うと、喜びで胸が熱くなった。
「ありがとう。直君もカッコいいよ」
「そうか。うれしいよ」
高身長で手足が長い彼はなにを着ても似合うけれど、初めて見るブラックのタキシード姿は見惚れてしまうほどカッコいい。
お互いの姿を初めて見せるファーストミートを無事終えて、ふたりで微笑み合う。しかし、ホッと和んでいる時間はない。
木嶋さんの進行で、挙式のリハーサルが慌ただしく始まった。
牧師と顔合わせをして、式の流れについて説明を聞き、儀式のレクチャーを受ける。そして迎えた本番。
重厚感があるチャペルの扉の前で父親と腕を組み、入場のときを静かに待つ。
* * *
昨夜は夕食を終えてひと息つくと、挨拶をするためにリビングでくつろいでいる両親のもとに向かった。
慣れ親しんだこの家で過ごすのも、今日が最後だと思うと感慨深いものがある。
「パパ、ママ。話があるの」
少しだけセンチメンタルな気持ちで話を切り出す。しかし、私の思うように物事は進まなかった。