一途な敏腕社長はピュアな彼女を逃さない

「初めはイケメンだなぁータイプだなー

くらいの感じだったんですけど...

すごく優しくて...

一緒にいるとドキドキするんです」


照れ臭そうに頬笑む瑠花が何だか

可愛いくてかよ子は顔をほころばせて見つめている。


「でも、昨日も呼び出したということは

勝さんも瑠花さんのこと

好きなのではないですか....?」


「それはないかな...

きっと向こうは遊びだと思う...

好きだとか付き合おうとか言われてないし...

私っていっつも、そうなんです...」


かよ子が首を傾けると

瑠花は苦笑いしながら肩をすくめた。


「好きになるといつも一人でのめり込んでしまって

二股されてたり、実は既婚者だったって

パターンもありました...

誰も私のことなんて本気で好きになっては

くれないんですよ...」


自傷気味に笑う瑠花がとても苦しそうで

かよ子の胸に痛みが走る。


「瑠花さん、そんなこと言っちゃ駄目です...

そんなこと言ったら瑠花さんのご両親や友達や

瑠花さんのこと大好きな人たちが悲しみます。

私も悲しいです...

瑠花さんの良いとこ、沢山知っているから...」


「かよ子さん...」


「瑠花さん、恋をしたら皆不安になるらしいです...

私の友人が教えてくれました」


真剣な顔でクリクリとした目を向けるかよ子に

瑠花は思わず、ブッとふきだした。


「フフッ...かよ子さん、それは皆知ってます」


「私は最近、学習しました」


「遅いですよ...でも、ありがとうございます。

そうですよね...忘れてました...

恋をして不安になったり、

自信をなくしちゃうのは私だけじゃない...」


「はい!瑠花さんは素敵な人です。

きっと瑠花さんじゃなきゃだめだって人が

現れるはずです」


「かよ子さん、ありがとう...

よし...当たって砕けてみようかな...

また自信なくしちゃったら話聞いてください」


「もちろんですよ」


かよ子が微笑み掛けると

瑠花は満足したように笑みを浮かべた。

< 135 / 343 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop