宿敵御曹司の偽り妻になりました~仮面夫婦の初夜事情~


伯父や伯母にも迷惑をかけているのがわかったし、
酷く落ち込んだ母は、『親の犠牲になってはいけない』と泣きながら一花に言うのだ。

『自分を施設に入れて、家を捨てろ』と。

そして…徐々に母の病に認知症の兆候が現れ始めた。

外国暮らしの長かった母を、快適な介護付きのマンションに入れてあげたいし
私立はお金がかかるから、国立を受け直そうかと言う弟にも思い留まらせた。


まだ世間が良くわからない一花はパニック寸前だ。

母の介護や金銭問題で混乱した一花は、勉強どころではなくなった。
一年休学を決めた一花に声を掛けてきたのが、憎い大田原勝男だったのだ。

悔しいが、至急お金が必要な一花は大田原の提案を受けた。

『水杉陸と結婚して、毎月お金を貰う。』

島の売却の条件として大田原が提案した『結婚』を何故か陸は受け入れたのだ。
その他にも色々契約があったようだが、一花は知らない。

ただ、彼にとって『結婚』は、どうでもいい紙切れ一枚の物なのだろうと思っただけだ。





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