宿敵御曹司の偽り妻になりました~仮面夫婦の初夜事情~


何種類かの手料理がテーブルに並んだ。
ばあ(・・)が届けてくれる新鮮な魚介類と『プチ・ポアン』で習った料理。

一花に準備出来る、せめてもの晩餐だ。

新鮮な小エビのカクテル風。

熱々の牡蠣のグラタン。

良く冷えた白ワインには、どれも良くあった。
対岸の丘陵地で採れるカボチャは美味しいと言われているので
薄くカットしてバターで焼いてみた。

「旨い!」

少しまぶしたグラニュー糖が甘すぎたかと思ったが、意外に陸は大丈夫なようだ。


二人でお喋りしながら食べて、飲んで…。

「一花、クリスマスは、また東京に出てくるか?」
「まだ一ヶ月以上も先の事よ。」

「早めに予定を立てておこう。」
「お仕事休めるんですか?」

「君と一緒に過ごすのも悪くない。」

「嬉しい…。先に楽しみがあるって、幸せね。」


< 83 / 148 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop