キス魔な御曹司は親友の妹が欲しくて必死です
「こいつ、酒飲んで寝てしまったら絶対朝まで起きないんだよ」
ぼやいて肩を竦めるお兄ちゃん。
まさか外で飲むときもどこでも寝てしまうのだろうか?
そんなんじゃ家に帰れないどころか、こんなにイケメンなんだもん絶対女子は放っておかないはず。寝込みを襲われそう。
「智成モテそうだし、寝てる間に女子にイタズラされちゃったりして」
からかうように言うと智成は嫌そうな顔をして反論する。
「外で飲むときはちゃんとセーブしてるし、外で寝たことはないぞ」
と言っていたけどどうだか。
言った矢先に智成はうとうとしだしてソファーに寝そべったとたんに寝てしまった。
「あ~あ、寝ちゃったよ。やっぱり家だと気が緩むのかな」
お兄ちゃんがそう言って傍らにあるブランケットを智成に掛けてやれと私に渡す。
リビングに大きめのブランケットが置かれてたのはそういうことか。
智成にそっとブランケットを掛けて無防備に寝ている顔を間近でじっと見た。
寝ててもイケメンとか、なんかずるい。
ぎゅっとその高い鼻を摘まんでやると眉間にしわを寄せ反対側を向いてしまった。
お兄ちゃんはそれを見てくくっと笑う。
「イタズラはほどほどにしとけよ」
「はーい」
智成は目を覚ますことなく寝息が聞こえ、ほんとに起きないんだなと思って完璧そうな智成でも弱いものがあるのだとこっそり笑った。

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