キス魔な御曹司は親友の妹が欲しくて必死です
「ほら茉緒、これも好きだろ」
反対側から智成が私の口に一口サイズのコロッケを突っ込んだ。
「ちょ、あいううのお」
文句を言いつつコロッケをかじるとサクッとした衣にカニの風味が利いたクリーミーなソースがトロット出てきた。
私の好きなカニクリームコロッケだ。
「ん~おいひい」
幸せな顔してもぐもぐ食べてると私の頭の上でお兄ちゃんが智成にいちゃつくなと文句を言って智成がいちいち煩いと言ってまた喧嘩している。
もう最近慣れてきたやり取りにこんなところでやめてよねと思いながら私は呆れてガン無視することにした。
次は何食べようと美味しそうな料理たちを眺めていると、喧嘩は終わったのか、ほらこれもとお兄ちゃんが今度は私のお皿にお寿司を乗せ、智成も同じようにこれもうまいぞとテリーヌを乗せる。
さすが私の好みをわかっているふたりだ。私は喜んでそれらを食べた。
傍から見るとイケメン二人に挟まれ、まるで餌付けされてる動物のように両脇から料理が運ばれ食べている私は注目の的だったらしく、周りの女性たちが羨ましそうにため息をついていた。
そんなことはつゆ知らず私たちは楽しく美味しく料理を頂いた。
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