ミルフィーユ王子はキュン死しそう





雨に濡れて震えている

子犬のような、アメリ様を見て

私は思っちゃった。




『大好きな人には、
 ずっと笑っていて欲しいのにな』って。




そんな願望を胸に

私はベッドから降り、


床を踏みしめる感触がないまま

アメリ様の前に進み、しゃがみ込む。





「学校のみんなの勘違いではありません。
 アメリ様は、間違いなく王子様です」



「えっ?」



「私は、生きているのが辛いと思う時が
 たくさんありました。

 でも、アメリ様の
 お月様みたいに優しい笑顔を見ると

 私も頑張ろうって、
 前向きになれたんです」




「車に惹かれて、あっけなく
 死んでしまいましたけど」と続け

 微笑んだ私。



アメリ様に笑って欲しくて

ボケたつもりだったのに、


顔を歪め

唇を思い切り噛みしめる彼の姿に、

逆効果だったと反省してしまう。

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