言いましたが、 違います‼︎
でも、なんて聞く?
山で知り合った男の子供を預かっている?
そんなこと言えない。
言ったら、平日に会社に行かず山に行った理由を話さないといけなくなる。
他に子供がいる人。
すぐに出て来たのが、総務の三枝さんだった。
最近、産休を開けたばっかりだったはず。
でも、連絡先なんて知らない。
時間を確認する。
今なら、まだ残業組が社内に残っているはず。
迷っている暇はない。
赤ん坊の鳴き声がドンドン強くなっていく。
どうか、どうか小物の男性社員が出ます様に
「お疲れ様です。根津です」
[あれ?今晩は]
いきなりの大物 斉藤部長が出た。
体が一気に固まる。
考えた言葉が出ない。
私の緊張が赤ん坊に伝わった様で、一層大きな声で泣き始める。
「おやおや、何か大変そうだね」
本当に大変なので、呑気に言われカッとなる。
「部長のせいです。
山にでも登っておいでなんて言われなければ、こんな目に遭わずに済んだんです‼︎
全部、部長のせいですからね‼︎」
突然、電話越しに赤ん坊の鳴き声が聞こえる中、お前のせいだ!と言われても困るだろう。
でも、でも、本当の事。
赤ん坊の鳴き声に釣られ、私まで泣きたくなって来た。