言いましたが、 違います‼︎
[ごめんね。で、僕は何をすればいい?]
言いがかりを怒る事なく、
斉藤部長の優しい口調が私の心を落ち着かせてくれた。
ゆっくりと大きく息を吸う。
「知り合いの赤ん坊を数時間預かっています。
今まで赤ん坊と接した事がないので、指導して頂きたく、三枝さんの連絡先を教えて頂けないでしょうか?」
調子がいい事を言っている自覚はある。
それでも、藁にもすがる思いだった。
斉藤部長は少し間を置き、
[残念ながら、私の口から三枝君の連絡先をお教えする事は出来ません]
社法に反する事ぐらい重々承知だ。
お騒がせしました。と言うと
「でも、三枝君に根津君の連絡先を教える事は出来ます。それでいいかな?]
「お願いします」
即答し、電話番号を伝える。
電話を切り、「もうちょっとだからね」と赤ん坊をあやしていると10分も経たない内にスマホが鳴る。
ようやくなんとかなる気がする。
[三枝です]
「突然すみません」
三枝さんの声を聞いただけで泣きそうになる。
赤ん坊は泣き止まず、グズグズ泣いていたものが、ギャァと顔を真っ赤にして泣き始めた。
[根津、あんた今家?どこに住んでるの?]
必死で赤ん坊をあやしてながら、三枝さんの質問に答える。
[近いわ。すぐにそっちにいくから。30分頑張りなさい]