今さら好きだと言いだせない
「町宮の服もかわいいよ」
「え?! 褒められると照れる!」
「じゃあもっと言おう。めちゃくちゃかわいい!」

 私の顔を真っ赤にさせようとしてなのか、面白がって彼がわざと追い打ちをかけるように大げさに褒めた。
 からかわれていると頭ではわかりつつも、好きな人にかわいいと言われたらうれしくて自動的に胸がキュンとしてしまう。
 顔が熱くて手でパタパタと仰いでいたら、チラリとこちらに視線を向けた芹沢くんは満足そうな笑みを浮かべていた。

「晴れて良かったな」
「うん。ドライブ日和だね」
「眺めのいい場所知ってるんだ。そこに行こう」

 あてもなく出かけようとしたわけではなくて、芹沢くんは最初から目的地を決めていたみたいだ。

 ハンドルを握る姿も本当にカッコいい。
 芹沢くんの車の助手席に乗せてもらえて光栄だな、なんて密かに幸せをかみしめていたら、車がどんどん山の手へと進んでいく。

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