今さら好きだと言いだせない
「佐武さんは先輩だけど、私の彼氏にちょっかい出さないでください! って堂々と文句言っちゃう?」
「え?!」
「南帆は彼女だもん。芹沢くんを奪らないでって詰め寄ったっていいの。ギャーギャー騒いでキレてもいい」
燈子は大げさにそう言うけれど、芹沢くんとは本当は付き合っていないのだから、その嘘を基にして佐武さんに怒るなんて私にはできない。そんな資格なんかないもの。
「燈子、私、今またひとつ気づいちゃった……」
燈子から借りたハンカチで目元の涙を拭って眉根を寄せると、彼女は心配そうな顔つきになった。
「私、芹沢くんが好きだって、自分の気持ちを正直にみんなに言っていいんだよね。逆にそうじゃなきゃおかしいの。付き合ってることになってるんだし」
「……うん」
「でもね、ひとりだけ絶対に言えない人がいる」
それが誰なのかすぐにピンと来ないようで、燈子は斜め上に視線を上げて考え込んだ。
「それは、芹沢くん」
恋人のフリを頼まれたから引き受けてしまったけれど、実は本気であなたに恋をしています、だなんて……
燈子には全部吐き出せても、芹沢くん本人には言えやしない。
「え?!」
「南帆は彼女だもん。芹沢くんを奪らないでって詰め寄ったっていいの。ギャーギャー騒いでキレてもいい」
燈子は大げさにそう言うけれど、芹沢くんとは本当は付き合っていないのだから、その嘘を基にして佐武さんに怒るなんて私にはできない。そんな資格なんかないもの。
「燈子、私、今またひとつ気づいちゃった……」
燈子から借りたハンカチで目元の涙を拭って眉根を寄せると、彼女は心配そうな顔つきになった。
「私、芹沢くんが好きだって、自分の気持ちを正直にみんなに言っていいんだよね。逆にそうじゃなきゃおかしいの。付き合ってることになってるんだし」
「……うん」
「でもね、ひとりだけ絶対に言えない人がいる」
それが誰なのかすぐにピンと来ないようで、燈子は斜め上に視線を上げて考え込んだ。
「それは、芹沢くん」
恋人のフリを頼まれたから引き受けてしまったけれど、実は本気であなたに恋をしています、だなんて……
燈子には全部吐き出せても、芹沢くん本人には言えやしない。