アンドロイド・ニューワールド
それが何かというと、「中二病」という言葉です。

言葉の意味は知っています。以前、漫画で読みました。

主に中学二年生、14〜15歳の子供が拗らせる、ある種の成長段階における過程の一つです。

つまり、誰しも一度は通る道、という訳です。

あるはずのない空想や幻想を、あたかも自分が体験しているように振る舞って、周囲を混乱させ。

混乱する周囲の姿を見て、満足感を得て、かつ優越感に浸る現象です。

しかしその現象は、成長過程の一種なので、大抵の場合長続きはしません。一過性のものです。

中二病期を過ぎれば、自然とそのような摩訶不思議な言動は収まり。

かつ、多くの場合、彼らはその時期のことをおのれの「黒歴史」として記憶します。

立派な成長過程の一種なのですから、特に恥じる必要はないと、私は思います。

それはともかく。

中二病は、人間の成長過程で起きる現象です。

何故、アンドロイドである私が、中二病を疑われているのでしょう。

私には、全く無縁のはずなのですが。

中二病とは、本来なら存在しない事象を、あたかも本当のことのように語るもの。

私の場合、全て偽らざる事実を話したのです。

人間の中二病とは訳が違います。

どうやら、私は誤解されているようです。

「皆さん、勘違いです。私は人間ではなくアンドロイドであり、従って人間の成長過程における中二病期を体験するはずはなく、そもそも私は事実しか語っていな、」

と、私は言いかけたのですが。

それを遮るように。

「あー、はいはいそういう設定ね」

「良いじゃん乗ってやろうよ、いつまで続くのか見物(みもの)じゃん」

と、クラスメイト達は言いました。

設定?見物?

私は鑑賞物ではないのですが。

否定しようとしましたが、タイミングが悪く、授業開始を告げるチャイムの音が鳴り響きました。

この音、初めて聞きました。

すると。

「じゃーね、電波ちゃん」

「宜しくね〜電波ちゃん」

と、湯野さん含むクラスメイト達は言いました。
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